この記事ではザダルの観光スポットについてまとめております。
ザダルはクロアチア・ダルマチア地方の主要都市の中で最も北に位置する観光都市。
過去ヴェネツィア共和国時代においてはアドリア海の制海権を握るための最大の要塞都市でした。
今回はザダルという街の歴史にも触れながら各名所を紹介させていただきます。
個人的にではありますがザダルの旧市街はダルマチア地方で最も魅力的な街に映りました。
是非是非、最後まで読んでいただきたいです。
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旧市街の城壁-City Walls
ザダルの旧市街は2017年世界遺産に登録されたばかりです。
城壁で囲まれた旧市街が『16-17世期ベネチア共和国時代の防衛施設群』の1つとしてその文化的価値が認められ、同じくクロアチア・シベニクの『聖ニコラ要塞』やその他イタリア・モンテネグロの各防衛設備と合わせて登録されました。
ザダルの街を守ってきたその城壁・外門・稜堡はベネチア人によって建設されたものです。
ヴェネチア共和国全体で最大の都市要塞だったザダルはその強固な防衛設備を持ってして、近隣のどの街よりも長い期間にわたって独立性を保つことができたとされています。
陸の門-Land Gate(Kamena vrata)
ザダルの旧市街は半島のような形状です。
その旧市街には4つの外門がありそのうち唯一の陸続きの門が『陸の門(ランドゲート)』。
バスターミナルから旧市街にいらっしゃる場合はこちらの門から入ることになります。
ランドゲートの見どころの1つは門に掘られたライオンです。
要塞防衛システムの一端を担うランドゲートには翼の生えたライオンがいます。
翼の生えたライオンはヴェネツィアの聖人のシンボルでありそのライオンがいるということはかつてヴェネツィア共和国の統治下にあったことを示しています。
ちなみにランドゲート横のLucica Fošaと呼ばれる港も個人的に可愛らしいと思いました。
時間のある方は北側にある3つの海の入り口Catena Gate,Port Gate,St. Ruko’s Gateも合わせてご確認ください。
5つの井戸の広場-Five Wells Square
ランドゲートから旧市街へ入ってすぐ右(東側)に進むと16世紀ヴェネツィア共和国時代に掘られた『5つの井戸』が保存状態の良い形で残っております。
現在は井戸としては使われていないようです。
また広場の近くにはローマ時代から現存すると言われている2本の柱のうちの1本が残っております。
聖ドナト教会-Crkva Sv. Donata
聖ドナト教会は聖ドナトゥス教会とも呼ばれている街のシンボルにもなっている教会です。
ランドゲートから入ってそのままメインストリート『シロカ通り(Široka ul)』をまっすぐに進めばすぐ辿り着きます。
こちらの教会は円形型の天井を持つダルマチア地方でも特徴的な造りをもち建設されたのはなんと約1,000年前。
あまり目立たない階段から2階にも上がれますので忘れずにどうぞ。
2階の窓からはフォーラムのある『ゼレニ広場(Zeleni trg)』を見渡すことができます。
入場料は20knでした。
教会の公開時間は最も長い7,8月で9:00-22:00。
冬季は閉まっているようです。
聖ストシャ大聖堂と鐘楼-Katedrala sv. Stošije&Bell tower
12世期建立のロマネスク様式の大聖堂。
ダルマチア地方で最大の大きさという点も特筆すべきです。
こちらの教会英語表記は『Cathedral of St. Anastasia』です。
グーグルマップを頼りに観光される方は“ストシャ”と“アナスタシア”それぞれ2つの教会があるように表示されますが同じ場所なのでご注意ください。
私は存在しない2つ目の教会を探しました。
聖ストシャ大聖堂のベルタワーは先に紹介した聖ドナト教会とひっついたような形でそびえています。
鐘楼の上からは旧市街の街をアドリア海と合わせて360度見渡すことができます。
教会内の見学は無料で鐘楼の入場料は20knでした。
聖ドナト教会でもそうですが、あまりにラフな服装だと入場を断られることがありますので特に女性の肌の露出や男性の水着には気をつけてくださいね。
実際にノンスリーブの女性が何かを羽織るようにエントランスで注意されているところを見かけました。
フォーラム(フォルム)-Forum
『フォーラム』とは教会の周りに広がっている紀元前ローマ時代の広場です。
フォーラムがある場所は今は『ゼレニ広場(Zeleni trg)』と呼ばれています。
フォーラムはザダルで最も魅力的な史跡の1つであり、最も人気のある観光名所の1つとなっております。
『恥の柱』と呼ばれる過去の神殿の一部もここにございます。
ローマ帝国の名残が今はむき出しの遺跡になって広場に散らばっている姿がとても興味深いです。
あくまで広場なのでみんな座ったり遺跡に立ち上がって写真を撮ったりしています。
金と銀の博物館-THE GOLD AND SILVER OF ZADAR
聖ドナト教会の正面に立つ『聖マリア教会(Crkva svete Marije)』内に展示スペースがあります。
貴重な宗教芸術のコレクションが展示されているザダルの宗教芸術・歴史を象徴する博物館でその展示数も内容もダルマチア地方随一とされています。
ザダル観光でミュージアムにご興味のある方は是非こちらにいらしゃってください。
入館料は25kn(約420円)です。
写真左側の立て看が立っている建物の中にチケットオフィスがあって、その右側の通用門が博物館への入り口になっていました。
聖フランツ教会-Crkva Sv. Frane
『フランシスコ会修道院内(Samostan Sv. Frane)』にある13世紀の教会です。
1358年に『ザダル平和条約』が締結された歴史的な場所でもあります。
ザダル平和条約ではダルマチアがヴェネツィア領からハンガリー王国の保護下に入ることになりました。
(後の1408年にはヴェネツィアがハンガリーから奪回しています。)
教会,中庭,宝物室を見学させていただけます。
入館料は15kn(約250円)。
観光客用のエントランスは右側です。
海のオルガン-Sea Organ
『海のオルガン』と『太陽への挨拶』はここまで紹介してきた城壁や門、教会とは性質の異なる名所です。
大聖堂やフォルムがザダル2000年以上の歴史の証明である一方、シーオルガンと太陽への挨拶は極めて現代的な作品といえます。
シーオルガンは2005年に公開された音響設備が備わっている海浜広場のような場所です。
これは第二次世界大戦で受けた被害を修復するという形で設計建築されました。
オルガンの名前の通りシーオルガンからは不思議な音が一日中鳴り響いています。
太陽への挨拶-The Greeting to the Sun
『シーオルガン』が音の芸術とすれば『太陽への挨拶(ザダルの太陽)』は光の芸術と言えるのではないでしょうか。
太陽への挨拶では地面に埋め込まれたソーラーパネルで日中にはダルマチアの強い日差しを受けて充電。
サンセットにあたりが暗くなった時に発光し始めます。
英語表記の挨拶(greeting)とは「say goodbye to the sun」だったり「have a good night」という意味だと考えられます。
音の芸術・光の芸術と言っても音はランダムで小さく、光もそれほど明るいものではありませんのでそのアトラクションのインパクト自体には期待しないほうがいいです。
第二次世界大戦と1991年のユーゴスラビアからの独立戦争(クロアチア紛争)を経たクロアチア・ザダルの平和への願いの象徴でもあり、現在この2つの新しいザダルの名所は美しい夕日を堪能できる場所としても非常に人気を集めています。
ザダル旅行では是非この太陽への挨拶からサンセットを味わっていただきたいです。
下記リンクの「写真撮影スポット」に関する記事にはザダルサンセットの写真も載せていますので合わせてご確認ください。
リンク集
■ザダルの観光に関する情報全般についてまとめています。
■記事執筆の際に参考にさせていただきました。(Reference)
Zadar Tourist Board